疲れていたら読んでください。 [医療]
慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)、 アンチエイジング、抗酸化、市ヶ谷 以上キーワード
「疲れがとれない」と私のクリニックを受診される方の割合が増加している気がします。異常なまでの熱波の影響もあるかと思いますが、「疲れ」を自覚し、それが3カ月以上続いていたら慢性疲労症候群の存在を念頭において診察を進めさせていただいています。
慢性疲労症候群(以下CFS)は、これまでに健康に生活していた人が風邪などに罹患したことがきっかけとなり、ある日突然原因不明の激し倦怠感に襲われ、それ以降、疲労感とともに、微熱、頭痛、脱力感などが長期にわたって健全な社会生活が送れなくなる病態です。
1979年の調査では、「一晩寝れば、翌日は疲れがとれますか?」の質問に対して、58.9%の人が「回復する」と回答しています。また、「あなたは、このところ健康だと思いますか?」という質問には、「あまり健康ではない」と答えた人は14.4%だったそうです。
20年後の1999年、厚生省疲労研究班が名古屋地区の一般地域住民4000名を対象に疲労調査を行ったところ、約6割の人に疲労・倦怠感が認められ、1/3の人では半年以上続く慢性的な疲労を自覚していることが判明したそうです。
CFSの診断は客観的な評価が難しく、日本疲労学会の診断指針を参考にさせていただいていますが、たとえばどの血液検査値が異常値であればCFSが疑わしいなどと判断できないので、慎重な問診が重要となります。
そんな中、CFSと酸化ストレスに着目したデータは興味を引きます。健常者312名の酸化ストレスを各年代別で調べたところ(20,30,40,50歳台)で調べたところ、酸化ストレスは有意に高齢者ほど高いことが明らかになりました。そこで、CFS患者189名と年齢の一致する健常者312名の酸化ストレスを調べたところ、CFS患者は338±85.6CARR Uと健常者の286.9±50.1CARR U(d-ROM値)と比較して統計学的に有意に高いことが判明したそうです(P<0.001)。
今後はCFSと抗酸化、近代化された職場環境や食べ物との関連が研究項目となると思います。
梶本によるとイミダゾールペプチド、コエンザイムQ10、リンゴポリフェノール、クロセチンで抗疲労効果が確認されたということです。とくにイミダゾールペプチドは最も顕著に抗疲労効果を示したいうことで今注目の抗酸化物質となっています。
ちなみにイミダゾールペプチドは食物のなかでは鶏胸肉に多くふくまれていますので、最近の鶏から揚げブームと関連があるのかもしれません。(これは先日、戸越銀座で大人気のから揚げ屋さんにうかがったからそう感じているだけです。)
CFSの知識が少しでもあれば、なにかお役にたつことができることが増えると思っています。
当クリニックでは私を含めコエンザイムQ10の筋肉内注射の疲労に対する効果を検討しています。
この点については結果がでましたらご紹介いたします。
参考文献
倉垣弘彦: 慢性疲労症候群診断基準の改定に向けて. 日本疲労学会誌特集号3: 1-40,2008.
梶本修身:疲労バイオマーカーと抗疲労食品の開発. アンチエイジング医学Vol6 No3, 348-356.







